ミャンマーで活躍する日本の電車

キャリアコンサルタントが見た世界

ミャンマーの大都市ヤンゴンに鉄道が走っていることは知られている。

東京の山手線のように楕円を描きながら走る環状線だ。

ぐるっと1週するのに約3時間かかる。

とてもスローな鉄道だ。

 

そんなヤンゴンの地で、日本の列車が走っていることはあまり知られていない。

ミャンマーは、日本から古くなった列車を譲り受けていた。

その列車が今も現役として活躍しているのだ。

私はその雄姿を一目見たいと思い、環状線の駅にやって来た。

 

ヤンゴン鉄道

Phaya Lan Train Station 列車がホームに入ってきた。

 

時刻表はあるが、当てにしてはいけない。

心を無にして静かに待つのだ。

そうしていると、意外にすぐに列車がやって来るから不思議だ。

 

遠くに列車が見えてきた。

だんだん近づいて来る。

日本の列車だ。

行き先案内版に何か書いてある。

あれ?

ミャンマー文字ではないぞ。

よく見てみると…漢字だ!

久留里線!?

 

久留里線は、千葉県木更津市の木更津駅から君津市の上総亀山駅までを結ぶJR東日本の路線だ。

かつて千葉県内を走っていた列車が、今はヤンゴンの環状線を走っている。

すごいじゃないか。

日本の列車が本当に走っているんだ。

熱いものがこみ上げてきた。

 

ヤンゴン鉄道

かつて千葉県内を走っていた久留里線車両

 

だんだん列車が近づいてきた。

行き先案内版の文字も大きく見えてきた。

確かに「久留里線」だ。

 

ヤンゴン鉄道

前を思いっきり開放し…ミャンマーでは大胆になっていた

 

もしかしたら、日本の方は違和感を持つかもしれない。

こんなに前が開いてたっけ?

開いてません!

日本では考えられないほど、ミャンマーでは大胆になっていたのだ。

もうかつての優等生の雰囲気はありません。

南国の太陽のもと、ちょいワルになっていた。

先頭車両も最後尾車両も、連結部分は開けっ放しになっている。

 

この程度で驚いてはいけない。

日本の列車はもっと大胆になっている。

はっきり言って、ちょいワルどころではない。

こちらの写真を見ていただきたい。

 

ヤンゴン鉄道

お気を付けください。走行中も両サイドのドアを開けたまま走ります。

 

ドアが開いている。

駅で停車中だから開いているのは当たり前だ。

しかし、本題はここからだ。

この大胆な列車は、ドアを開けたまま走り出すのだ。

停車していようと走っていようと、ドアが閉まること決してない。

ドアを閉めることを頑なに拒んでいる。

これでは「学ランの詰襟を閉じなさい」と注意しても聞かず、それどころか第2ボタンまで開けている生徒と同じではないか。

これはホンモノのワルだ。

どうしてこんなことに…。

お母さんはこんな子に育てた覚えはありません!

そんな声が聞こえてきそうだ。

 

南国の日差しを浴びて大胆になっちゃうことってあるかもしれない。

でもドア全開で走るというのは、大胆を通り越してちょっと怖い。

ミャンマー政府はこの状況をどう考えているのだろうか。

乗客は常に落ちないように気をつけなければならない。

落ちたら自己責任とでも言うのだろうか。

遊園地のアトラクションでさえ、安全装置は付いている。

これでは安心して乗ることができないではないか。

 

この様子に、日本の方はさぞかし心配されることでしょう。

せっかく日本の列車に乗ってくれているミャンマーの人たちが、恐怖を感じているのではないかと。

こんな危険な列車に乗るべきではないと思うはずだ。

 

でも、ご心配なく。

こちらの写真を見ていただきたい。

 

ああ、風が気持ちいい!

 

この少女は恐れるどころか、風を感じながら楽しんで乗車している。

この位置を誰にも譲る意思がないことは、彼女の手の置き場を見れば分かる。

おそらくこの男性は、この少女に先を越されたに違いない。

羨ましそうに彼女を見る視線が、それを物語っている。

 

このように、ミャンマーの人たちは怖がるどころか、楽しんでいるのだ。

もし、ミャンマーの人たちが東京の山手線に乗ったら、きっと刺激が足りなくて退屈してしまうだろう。

 

さて、再び駅から列車を見てみよう。

次に現れた列車は「岐阜」と書かれている。

おそらく名古屋~米原間を結ぶ電車だったのではないだろうか。

こちらも未だに現役選手として頑張っているのだ。

 

ヤンゴン鉄道

今度は「岐阜」です。連結部分も解放しています。

 

さて、お次はどんな列車が来るのか…。

いや、列車よりも行き先案内版の方に興味が傾いてきている。

日本各地を走っていた電車たち。

案内版があるおかげで、かつて走っていたエリアが一目瞭然なのだ。

 

最後にもう1つだけ。

そう思って待ち続けた。

すると遠くから列車がやって来るのが見えた。

ん?

何だかよく見えない。

今までの列車と少し違うような…。

じーっと目を凝らしているうちに、私ははっきりとその文字を読み取ることができた。

これは神様からのプレゼントなのか。

最後にすばらしい列車が入ってきた。

喜びのあまり、私の手は震えた。

そのせいで手元がぶれてしまった。

でも、これは間違いなく思い出に残る1枚だ。

 

その列車の行き先案内版に書かれていたのは、なんと!

 

ヤンゴン鉄道

この列車を見たら、その日は良いことがあるでしょう

 

「 試運転 」

ミャンマー万歳!

 

 

Author
このブログの執筆者
西ヶ谷 紀之
国家資格キャリアコンサルタント・社会保険労務士・行政書士
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