第2章

4 100万人を救うスーパーヒーローを作れ!?

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あおいさん♪:え?

リッチー先生:それは「人は誰もが誰かの先生」です。

あおいさん♪:人は誰もが誰かの先生…。ん?じゃあ私も先生ですか?

リッチー先生:もちろんです。

あおいさん♪:私は自分を何かの先生だと思ったことはありません。教師でもないし。

リッチー先生:そうかもしれません。表現を変えると「人はどんな人からでも学ぶことができる」ということです。たとえば、あの人のようになりたいと思ったとき、その人の良いところを吸収しようとしますよね。まるで理想的な教師に出会ったかのように。でも逆に、あの人みたいにはなりたくないと思ったときは、そうならないようにしますよね。おそらくそのときは、その人のことを反面教師にしているはずです。つまり、人はいつも誰かから何かを学んでいるんです。

あおいさん♪:じゃあ世の中は先生であふれているということですか?

リッチー先生:そのとおりです。つまり、意識的にせよ無意識的にせよ、誰もが誰かの先生として生きているということです。すべての人が先生であり、生徒でもあるのです。これはあくまで私のモットーにすぎませんが。

あおいさん♪:では先生のモットーからすると、たとえば、現在ひきこもりを続けている人も先生だということになりますか?

リッチー先生:もちろんです。

あおいさん♪:うそです!先生、さすがにそれは信じられません。いくらご自身をアピールするためとは言え、それは認められません。おかしいですよ。

リッチー先生:おかしいですか?

あおいさん♪:おかしいですよ。ときどきぶっ飛んだことをおっしゃいますが、今回だけは受け入れられません。だって、ひきこもりは大きな社会問題なんですよ。これは困ったことです。100万人を超える人たちが仕事もせず、税金も納めずに生きているんです。ひきこもっている人のまわりにいる、そのご家族も大変な苦労をされているじゃないですか。とても困っているんですよ。悲劇的な事件も起きています。ご存知ですよね?それなのにひきこもっている張本人を先生だなんて。あり得ません。

リッチー先生:あおいさんのお考えはよく分かります。また多くの人が同様に考えているだろうとも思います。そこは私も理解しています。

あおいさん♪:では、なぜそんなことを?

リッチー先生:学びがあるからです。

あおいさん♪:モー、どんな学びなんですか?

リッチー先生:おそらく、ひきこもっている人の多くは、現在の状況をハッピーだと思っていないでしょう。体の芯まで冷やされるほどの孤独に耐えているのかもしれません。ひきこもりに至った経緯は人それぞれだと考えられますが、その経緯を知ることは学びです。なぜなら、その経緯を知っていれば誰かがひきこもりになることを防ぐことができるかもしれないからです。

あおいさん♪:それは想像できることです。学べるのはそれだけですか?

リッチー先生:まだあります。もう少し聞いてくださいね。もし、ひきこもっている人の中で、現在の環境から抜け出し社会復帰を果たした方がいるとします。これはとてつもない価値です。なぜなら、ひきこもり状態から社会復帰を果たしたその体験には、多くの人が知りたいと思っている学びに溢れているからです。

あおいさん♪:今度はどんな学びですか?

リッチー先生:もし、この方が、自ら体験した社会復帰までのプロセスを教えてくれるとしたら、聞きたいと思う人は大勢いるはずです。現在ひきこもっている100万人の人たちだけではありません。そのご家族、親戚の方や、彼らを支えている人たち、行政機関の職員たちも知りたいはずです。きっとお金を払ってでも知りたいでしょう。多くの人が知りたいと思っていることを教えてくれる人。この方を先生と呼ばずして何と呼びましょう。

あおいさん♪:それはそうかもしれませんが、社会から問題視されている人が先生だなんて…。

リッチー先生:この方は、社会復帰を果たした体験そのものが価値であり、個性であり、魅力なんです。

あおいさん♪:体験が個性、魅力?

リッチー先生:そうです。でもこれは、あくまで私の捉え方ですよ。

あおいさん♪:…。

リッチー先生:もちろん、コーチ、カウンセラー、キャリアコンサルタントの誰もが、ひきこもりの方をクライアントにするわけではありません。世界には、ハリウッド女優や大統領をクライアントにしているコーチがいるように、それぞれのクライアントは当然異なります。

あおいさん♪:ハッ!

リッチー先生:どうしまたか?

あおいさん♪:私今気づきました。プロコーチの養成講座で学んだはずなのに、ひきこもりの人のことを無意識のうちに「社会から問題視されている人」としてラベリングしてしまっていました。「先生」として捉え直すと、受け止め方が全く違います。

リッチー先生:私たちは、社会やマスコミが作り出した価値観に囚われてしまうことがあります。いつの間にか自分の価値観で捉えることをしなくなります。世間の基準に照らし合わせて点数をつける必要なんて何もないのに。

あおいさん♪:本当にそうなんだなって思いました。「先生」として捉え直すと、何を教えてくれる人なのか、という関心が出てきます。教えてくれるのであれば、学びたいとすら思います。

リッチー先生:人には知識欲があります。それは、誰もがより良い人生にしたいと思っているからです。幸せになりたい人は、幸せになる方法を知っている人から学ぼうとします。東大に合格したい人は、東大に合格する方法を知っている人から学ぼうとします。契約書の本当の意味を知りたい人は、契約書の本当の意味を知っている人から学ぼうとするんです。

あおいさん♪:じゃあ、ひきこもり状態から社会復帰したい人は、その方法を知っている人から学ぶということなんですね?

リッチー先生:そのとおりです。だから、たとえ現在ひきこもりをしている人であっても、その人は未来の先生なのかもしれないのです。ひきこもりの専門家、100万人を孤独から救う先生ですよ。

あおいさん♪:100万人を救う先生…。スーパーヒーローじゃないですか!