第2章

5 愛と情熱の先に

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あおいさん♪:100万人を救う先生…。スーパーヒーローじゃないですか!

リッチー先生:そうです。でも、どんなにすごいスーパーヒーローも、いきなりスーパーヒーローになるわけではありません。坂本龍馬が勝海舟と出会って世界観が180度変わったように、どんな人も最初は誰かとの出会いが必要です。

あおいさん♪:誰かとの出会い…。

リッチー先生:そうです。ビリギャルが坪田先生と出会って受験勉強に目覚めたように、イチローが仰木監督と出会って振り子打法を編み出したように、ヘレン・ケラーがサリバン先生と出会って三重苦を克服したように、誰かとの出会いが絶対必要なんです。

あおいさん♪:もしかして、その誰かは私たちということですか?

リッチー先生:私はそう考えています。

あおいさん♪:そうすると、私たちの仕事は、未来のヒーローを作ることになりませんか?

リッチー先生:おもしろいですね。そんなことができたら、あなたはGTA(グレイト・ティーチャー・あおい)ですよ。

あおいさん♪:私、GTAになります。誰もが誰かの先生であるのなら、私のクライアントたちはみんな誰かの先生になる人たちです。社会で不要な人なんて一人もいない。誰もが価値を持っている。だからすべての人がヒーローになれる。その人が生きてきた道、体験したこと、学んだことがあるのなら、その人から学ぼうとする人が必ず現われる。学んだ人はそれを次の誰かに教えることができる。そうですよね?

リッチー先生:そのとおりです。『変態仮面』は正義とは何かを知っている。そして彼から正義とは何かを学ぼうとする人が現れる。学んだ人はそれを次の誰かに教えることができる。

あおいさん♪:モー私の話は変態仮面のことじゃありません。

リッチー先生:『変態仮面』でも『ふんどし頭巾』でも何でもいいんです。大切なことは、自分には価値があること、そしてその価値が何かに気づくことです。その何かは自分の世界の中だけに存在しています。だから他人のマネをしても意味がありません。それは本当のあなたではないからです。私がパンティを被っても『変態仮面』になれないのと同じです。

あおいさん♪:リッチー先生にはパンティを被ってもらいたくありません。

リッチー先生:被りません!パンティを被ってる人に、契約書の作成を依頼する人なんているわけないじゃないですかっ!

あおいさん♪:モー結構です!パンティなんか要りません!

リッチー先生:あなたには必要です!!!

あおいさん♪:えっ!?

リッチー先生:落ち着いてください。いいですか。分かっていることは、冷たいものは人々を分断し、温かいものは人々を結びつけるということです。これから私たちは、多くのクライアントと関わることになります。そのときに私たちが提供すべきものは、コーチング、カウンセリング、キャリアコンサルティングのテクニックや、スピニングファイヤーではありません。

あおいさん♪:スピニングファイヤー?

リッチー先生:現状を変えたい、能力を高めたい、成長したい、孤独から解放されたい、幸せになりたい。これらの希望を実現するために必要なものは、温かいもの。そう、愛なんです。

あおいさん♪:やはり愛…。

リッチー先生:残念ながら、私とあおいさんがどれだけ頑張っても、すべての人たちに愛を提供できるわけではありません。ただ私たちには多くの志を持った仲間がいる。それぞれのコーチ、カウンセラー、キャリアコンサルタントが、目の前のクライアント一人一人と向き合い、多くの人たちに愛と優しさを提供することができる。人は、自分のことを大切にしてくれる人を大切にしようとします。自分のことを信じてくれる人に応えようとします。愛と優しさを受け取った人は、次の誰かに愛と優しさを提供しようとします。お互いがお互いの存在に感謝し祝福し合う。きっとその先には、温かみのある優しい社会、温かみのある平和な世界が作られていくのだと、そう私は信じているのです。

あおいさん♪:そんなビジョンをお持ちだったなんて…。

リッチー先生:だからこの仕事に携わる人たちは、高い意識を持った信頼される存在であってほしいんです。

あおいさん♪:信頼される存在。

リッチー先生:そうです。人は愛を受けると幸せになる。でも愛を提供する人はもっと幸せになる。私たちの仕事は、AIに代替されることのない、愛と優しさを持った人間しかできない特別な仕事なんです。こんなすばらしい仕事が他にありますか。ノーベル文学賞を受賞したヘルマン・ヘッセはこう言い遺しています。「人生の義務は、ただひとつしかない。それは幸せになることだ。」

あおいさん♪:幸せになる…。その義務を果たしましょう。

リッチー先生:さあ、私たちの愛と情熱でこの世界をもっともっと温めるのです!

あおいさん♪:え?

リッチー先生:ん?

あおいさん♪:世界を温めるというのは…、なんかマズイですね。

リッチー先生:何がですか?

あおいさん♪:そんなことしたら、スウェーデンの若き環境活動家に糾弾されませんか?

リッチー先生:構うもんですか。私たちは人類温暖化に貢献し、彼女より早くノーベル平和賞を受賞するのです!

あおいさん♪:先生、また話がぶっ飛んでます。

リッチー先生:おっと失礼。でも、私たちはこれくらい大きな使命を持ってもいいのではないでしょうか。コーチ、カウンセラー、キャリアコンサルタントである私たちが、一人一人の人間を大切にし、この地球を愛と情熱で覆い尽くすことができるなんて、世界のリーダーたちは誰も考えていないのですから。

 

あおいさんは、とても晴れやかな気持ちでカフェを後にした。

リッチー先生と会話して、改めてコーチという仕事に誇りを感じることができた。

誰に何と言われようと、コーチはすばらしい仕事なのだ。

だからこそ、信頼される存在にならなければいけない。

この仕事に対する誇りと情熱を持って、一人でも多くのクライアントに愛と優しさを届けよう。

温かいもの…。

今の冷えた日本や世界に必要な温かいものを。

それが私たちの使命なのだ。

 

あおいさんは、ふと立ち止まり鞄からスマホを取り出した。

「そういえば、さっき先生が言っていた専門用語は何だったかしら。プロコーチの養成講座で学んだ記憶はないんだけど…、まだまだ勉強不足ね。あ、そうそう、スピニングファイヤーって言ってたわね。」

そう、つぶやきながら検索しはじめたのだが…。

大丈夫だろうか…

心配である。

 

ときに人間の知識欲は、己を禁断の領域へと誘う。

あおいさんの全身に稲妻が走るまでそう時間はかからなかった。

 

諸行無常

世界は常に変化している。

新しいものは古くなり、形あるものは崩れていく。

しかし、人が新しいことを学ぶ姿はいつの時代も常に美しい。

あおいさんはリッチー先生に導かれ、自ら新しい世界の扉を開いた。

Only One、唯一無二の信頼される、誇り高きコーチになるために。

 

~ おしまい ~

 

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